Discジャンキーズ-洋楽CDレビュー
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- リリース 1977年
- プロデュース トニー・ヴィスコンティ デヴィッド・ボウイ
ベルリンでのブライアン・イーノとの2作目。
実はブライアン・イーノはプロデュースでクレジットされていないもののイーノとクラフトワークの影響が色濃い。
![]() | ヒーローズ デヴィッド・ボウイ 曲名リスト 1. Beauty and the Beast 2. Joe the Lion 3. Heroes 4. Sons of the Silent Age 5. Blackout 6. V-2 Schneider 7. Sense of Doubt 8. Moss Garden 9. Neuköln 10. Secret Life of Arabia Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ヒーローズは前作ロウ に続いてレコーディングはドイツのハンザスタジオでおこなわれた。
ロウ、ヒーローズのベルリン時代のデヴィッド・ボウイの一番の魅力は「狂気」を感じさせながら決してそちら側へは行かずギリギリの所で踏みとどまるバランス感覚だったのでないだろうか。
不安定な実験をしながらボウイ自身には確信があって迷いがないから安定した実験をすることができたように思える。
日本人カメラマン鋤田正義によるこの不思議なポーズのモノクロのジャケットは見事にアルバムの内容を表している。
オレンジ色のジャケットのロウの前半のようなカラフルでポップな曲はなくシリアスで精神世界的なグレイなサウンドが続く。
オープニングの美女と野獣で今までのボウイになかった硬質で金属的なサウンドに驚かされる。
ライオンのジョーではギリギリの狂気を思わせるシャウト。ここまでとてもスピード感があるのはこのアルバムはほとんどがファーストテイクだという事とロウには参加していなかったキング・クリムゾンのロバート・フリップのギターによるところが大きい。
前衛的でありながら生真面目に正確なリズムを刻むフリップのギターはドイツの空気感とマッチして相乗効果を生んでいる。
タイトル曲ヒーローズは暗く無機質で金属的なサウンドのアルバムの中で「詞のメッセージ」に重点を置かれたこのアルバムヒーローズでは異質の曲で、この曲ヒーローズの存在によって「詞のメッセージ」を拒否していたロウとは違いを感じる事ができる。
今はなき東西のドイツを分断していたベルリンの壁で落ち合うカップルをヒントにできたという
誰でも1日だけならヒーローになれるというシンプルで刹那的なメッセージのこの曲はイタリア語、ドイツ語バージョンでも録音された。
とてもシンプルな構成でゆったりとしたAメロで始まりサビがそのAメロを1オクターブ高くなるという日本の曲ではあまりない展開。
ヴォーカルがエコーの効いた迫力あるサウンド作りはプロデューサーのトニー・ヴィスコンティのアイディアで3つのマイクを用意して一番手前のマイクは小さくささやくような声用、二番目に離したマイクは普通の声量で唄う用、三番目の一番離れたマイクはシャウト用と分けている。
曲の最後のシャウトの時は押さえ気味で唄っていた時に反応したかった一番離れたマイクまですべて音を拾い独特の広がりと迫力のサウンドとなる。
ボウイの曲と声にイーノによるエコーを効果的に使った音処理、フリップのイマジネイションあふれるギターにより代表曲となったがライブでは定番の最後の盛り上がりのコーラスの場面ですぐにフェイドアウトしてしまうのが惜しい!
「沈黙の世代の子供たち」は今までのボウイの曲になかった中近東風の曲だがどこか宇宙的なサウンドになっているのがいかにもボウイらしい。
その後はひたすらインストが続くが一曲ごとに独立した曲ではなく現代音楽の組曲といった感じか。
後半の東洋的なヒーリングミュージック的な「モス・ガーデン」ではボウイ自身による琴のプレイも聴ける。
もう完全にポップアルバムとしては破綻していてどこに行くのだろうという所で「アラビアの神秘」でやっと強引にこっちの世界も引き戻される感じがする。
キュアーのロバート・スミスはボウイはロウを出した後に死ねば良かったんだと言ったがそれには同意出来ない一番の理由はこのアルバム「ヒーローズ」があるからだ。
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【関連ブログリンク】
David Bowie「HEROS/Another Side of MANU.
デヴィッド・ボウイ(2)/もくまおうの「80’sとスロットを愛するブログ」
↓PV視聴-ヒーローズ
コメント
が、鋤田氏撮影のこのジャケットが大好きなんですよ。
nasumayoさんの解説を読んでいたら、メチャクチャ欲しくなりましたね、このアルバムが。「グレイなサウンド」、「金属的で無機質」というのが、ジャケットの感じと凄くリンクするような気がします。
できれば、アナログLPが欲しいな。
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やっぱりジャケットも含めて作品だとあらためて思いました。
このポーズは鋤田氏が指定したのではなくボウイが何パターンか自分で考えて鋤田氏が撮影した数枚から選んだらしいです。
このジャケット写真がきっかけで鋤田氏の写真集も買ってしまいました。