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David Bowieデヴィッド・ボウイ/世界を売った男

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『世界を売った男』は、ボウイの作品中、一般的に滅多に話題にならず評価もされていないのだが、ファンの間では隠れ名盤として知られているアルバム。

このアルバムからバンドのスパイダース・フロム・マース(この頃はまだハイプと名乗っていた)のメンバーも固まり、ロックバンドらしいサウンドに変化する。

前作スペイス・オディティまでのボブ・ディランに憬れるフォーク歌手だったボウイがロックミュージシャンになった瞬間だった。

世界を売った男世界を売った男
デヴィッド・ボウイ

曲名リスト
1. 円軌道の幅
2. オール・ザ・マッドメン
3. ブラック・カントリー・ロック
4. アフター・オール
5. ランニング・ガン・ブルース
6. セイヴィア・マシン
7. シー・シュック・ミー・コールド
8. 世界を売った男
9. スーパーメン

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世界を売った男 』のアルバム全体を支配するハードロック的なアレンジは、バックバンドの存在が大きく、特に後のスパイダース・フロム・マーズとなるギターのミック・ロンソンが1曲目から大活躍している。

『円軌道の幅』はそのミック・ロンソンのギターリフを多用したハードロックナンバー。
当時としては、ロックで8分を越す大曲は異例だったが、その奇想天外な曲展開は、どことなくキング・クリムゾンの影響を感じさせプログレ的だ。

全体的にハードで暗いイメージのサウンドの『世界を売った男』のサウンドは、妻アンジー(ローリング・ストーンズの『悲しみのアンジー』のモデル)と新婚で、ほとんどスタジオに来なかったボウイから渡された曲のアイディアと骨組みを元にギターのミック・ロンソンとプロデューサーのトニー・ヴィスコンティがほとんどのアレンジをほどこした作品と言われている。

結局、ボウイが仕事をしたのはレコーディングの最後の3日間のみだとヴィスコンティは主張している。
その3日間でボウイは『円軌道の幅』以外のアルバムの収録曲の作詞作曲をこなしてしまったらしい。

ハードロックを基調に時にフォーキー、ブルージーに曲調を変えながらギロなどの珍しい楽器を交えつつ、すでにミック・ロンソンを中心とするバンドサウンドになっており、アルバムを通して統一感が生まれた。

しかしこのデヴィッド・ボウイのフォークからハードロックへの急激な音楽性の変身は『スペイス・オディティ 』を気に入ったファンには受け入れられず、セールス的にはまったくと言っていいほど売れなかった。


タイトル曲『世界を売った男 』は、発表から20年後にニルヴァーナのMTV アンプラグド・ライブでのカバーにより再評価され、ボウイ本人も気を良くさせてそれまでほとんどライブでも演奏される事のなかったこの曲をライブレパートリーに復活させた。

カート・コバーンについてボウイは「彼が僕の作品を好きだったと聞いて光栄だ。他に言うべき事はない」と95年のインタビューで語っている。

3種類のジャケット


『世界を売った男』のアルバムジャケットは3種類あり現在流通しているボウイがドレスを着て横たわっているジャケットだが、これは当時としてはとんでもない写真だったらしい。

美輪明宏や美川憲一やレイザーラモンHG等がゴールデンやCMでTVに出まくってる今の日本では理解しにくいが、ロンゲの化粧をした男が胸の空いたドレスを着た写真をジャケットにする事でのトラブルを恐れたレコード会社が、何故か頭を銃で撃ちぬかれたカウボーイのジャケットに差し替えたのだった。



再発した時はジギー時代の足を蹴り上げたジャケットも使われていた。
CDの時代になってやっと元のドレスカバーになったいわくつきだった。



異質だが可能性を感じるアルバム


世界を売った男の暗さと重さは、ボウイのキャリアの中でもかなり異質で一時的なものだった。
この次のアルバムからは、バンドの結束力をより強めて分かりやすい方向で例のキャラクターを模索していくのだった。



☆試聴&ダウンロード

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