Discジャンキーズ-洋楽おすすめCDレビュー

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デヴィッド・ボウイ/ザ・ネクスト・デイpart2

デヴィッド・ボウイの10年ぶりのアルバム、ザ・ネクスト・デイが発売されてから1ヶ月余りが経過した。

最初に聴いた時よりもかなり冷静に聴けて評価出来るようになっていると思うので、改めてレビューと新しい情報を加えてまとめてみた。



20年ぶりに全英チャート1位に


本国イギリスでは全英アルバム・チャートで初登場1位を獲得した。
これはブラック・タイ・ホワイト・ノイズ 以来のちょうど20年ぶりだった。

またiTunesアルバム・チャートでは64ヶ国で1位を獲得した。

日本ではオリコン初登場5位を記録し、ジェフ・ベック65歳9ヶ月を6ヶ月更新する最年長チャート入りの新記録。
(すぐにポール・マッカートニーに更新されたが)

アルバムの製作は極秘を徹底したが・・・


10年ぶりのアルバム製作は、完全極秘が徹底されていた。
何しろボウイと40年の付き合いのギタリスト、アール・スリックですら外部に漏らさないようにと誓約書を書かされたそうだ。

しかし、たった1人だけ情報を漏らした者がいた。

それはロバート・フリップだった。
フリップは自身のブログにボウイがニューアルバムを製作するらしいとうっかり書いてしまっていた。

どうやらボウイ側からのオファーを隠居の身だからと断ったらしいが、その後に情報を漏らさないようにと言われていたのを思い出してオファー自体がなかったとすっとぼけてしまったらしい。

でも唯一約束を破ったのがフリップ爺じゃボウイも責める気はないだろうな。

各曲に散りばめられた過去の曲のフレーズ


トニー・ヴィスコンティが「過去と未来を繋げる」作品と語ったように『ザ・ネクスト・デイ』にはデヴィッド・ボウイの過去の名曲のフレーズが少しずつ散りばめられている。

『ザ・ネクスト・デイ』で初めてデヴィッド・ボウイの音楽に触れた新しいファンもいるだろうからまとめておこう。

タイトル曲の『ザ・ネクスト・デイ』はロジャーのレピティションを原型にしている。

『ザ・スターズ』の間奏のギターフレーズは、ジギー・スターダスト の『サフラゲット・シティ』、『ヴァレンタイン・デイ』のコーラスは同アルバムの『スター』を『ヒート』のアコギでの展開は、スペイス・オディティ、 『イフ・ユー・キャン・シー・ミー』の今さらなドラムン・ベースはアースリングを思わせる。(しかもアースリングの大半の曲よりも出来が良い!)

探せばまだまだ見つかりそうだ。

21世紀に入ってからのボウイは、過去の〇〇みたいな曲を作りたい!という思いで何度か失敗をしていたが、『ザ・ネクスト・デイ』にはその思いが見当たらない。

過去の自身の曲のフレーズを使っていながら、まるで他人の曲から引っ張ってきたみたいにパーツとして使いこなしている。

通常、アーティストが過去の作風と近い事をするのは『自分のコピー』をする事だと非難の対象となる。
ヘタをすれば「過去の栄光にすがる老人」扱いされかねなかったのに『ザ・ネクスト・デイ』はそうはならなかった。


ベストトラックはやはり最初のシングル曲『ホエア・アー・ウィ・ナウ?』だと思うが、この曲はデヴィッド・ボウイの過去のどの曲とも似ていない。

ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ
リアリティはカバー曲がアルバムで一番出来が良かったが、今回は違う。
個人的にはそれで充分だと思う。

42のキーワード


今回ボウイはどこからもインタビューは受けていないが、小説家でライターのリック・ムーディの取材に対して42の単語を送ってきた。

Effigies(肖像)
Indulgences(耽溺)
Anarchist(アナーキスト)
Violence(暴力)
Chthonic(冥界)
Intimidation(威嚇)
Vampyric(吸血鬼的)
Pantheon(神殿)
Succubus(夢魔)
Hostage(人質)
Transference(転移)
Identity(自我)
Mauer(壁 *ドイツ語)
Interface(接点)
Flitting(論争)
Isolation(孤立)
Revenge(復讐)
Osmosis(浸透)
Crusade(聖戦)
Tyrant(暴君)
Domination(支配)
Indifference(無関心)
Miasma(毒気)
Pressgang(強制)
Displaced(追放)
Flight(逃亡)
Resettlement(再定住)
Funereal(葬儀)
Glide(滑空)
Trace(追跡)
Balkan(バルカン)
Burial(埋葬)
Reverse(逆)
Manipulate(操作)
Origin(起源)
Text(原本)
Traitor(謀反人)
Urban(都会的)
Comeuppance(天罰)
Tragic(悲劇的)
Nerve(中枢)
Mystification(神秘化)



どうやらこの42のキーワードがアルバム『ザ・ネクスト・デイ』の全てを語っているらしい。

アルバムとしてはまとまりがない


10年分の曲の集まりだからアルバムとしては方向性がなく弱いと言わざるを得ない。
聴く人によって過去のあのアルバムに似ているという意見は多分どれも当っている。

だが、曲の一つ一つはツブそろい。

60年代の半ばまでアルバムはシングルの寄せ集め、もしくはシングルにならなかったボツ曲の寄せ集めだった。
ビートルズらがアルバムコンセプトの可能性を打ち出し、コンセプトアルバムを決定付けたのが、ボウイの『ジギー・スターダスト』だった。

そのボウイがジギースターダストの40年後にコンセプトも何もない10年分の寄せ集めのアルバムを発表したのは興味深かった。

【おまけ】エコー&ザ・バニーメンのイアンはボウイ重病説を信じトリビュート・ソングを作っていた


エコー&ザ・バニーメンのイアン・マッカロクは、アルバム発表を隠すためのデヴィッド・ボウイ重病説を完全に信じ込み2012年に「Me And David Bowie」という曲名のトリビュート・ソングを作っていた。

この曲はアルバムPro Patria Moriに収録されている。

この時期にボウイは、アルバムの発表の予定を練っていたんだから面白いったらありゃしない。


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